水野忠幹氏旧蔵書文書

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【古文書巻子三軸について】

土地取引に関わる社会経済関係文書の原本および写し40点(44紙)からなる。

そのほとんどを寺社に関わるものが占め、特に法隆寺と神護寺に関するものが多い。年紀の最も古いものが承保2(1075)年5月2日、最も新しいものが寛正6(1465)年8月7日であり、平安末期から室町中期の400年余りの期間の文書であることが解る。

当該文書には本学の史料編纂所に「古田券」と称する模本があり、所蔵史料目録データベースで全文が公開されている。この模本の下巻末には「明治十七年五月旧纐シ藩士某蔵本ヲ以テ冩ス 一等繕冩田中重遠」とある。つまり明治17(1884)年に史料編纂所の前身である修史館が当該文書の写を作成した際、所蔵者は桑名藩士の某であり、巻子に貼られていた題簽も現在の「古文書」ではなく「古田券」であったことが解る。

このように当該文書は、桑名藩士某から水野氏の手にわたり、南葵文庫、東京大学へと引き継がれてきたものなのである。現装幀には南葵文庫の蔵書印と寄贈印が捺されているので、南葵文庫所蔵時には既に改装され、題簽も「古田券」から「古文書」に変えられていたものと考えられる。

『鎌倉遺文』などの史料集に既に掲載されているものも多いが、中にはこれまで知られていなかったものもある。また既出のものは出典が「古田券」となっているので、史料編纂所の模本から採録されたと考えられる。このため原本である本文書の方が史料価値は高く、今後既出史料と比較検討の上での利用が期待される。